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健康番組の“ゲンキの時間”で「怒り」について特集していました。


健康番組で「怒り」?なんて最初は思いましたが、「怒り」の健康に与える影響を考えると、これは健康番組で取り上げられるべき題材だと感じます。


「怒り」をコントロールする“アンガーマネジメント”が、政界・経済界でも研修として取り上げられるくらい重要視されています。怒りを制することは自己コントロールができることになりますね。


怒りをコントロールできた先にはどんな効果が期待できるのでしょうか。


まずは、怒りが体に与える影響から見ていくことにします。

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怒りの感情には自律神経が関係している!?

番組では最初にこんなクイズが出されました。

問題:怒りやすい人への実験で証明されたものはどれ?
A:抜け毛が多い 
B:目が悪くなる
C:やけどが治りにくい



さて、正解は「C」
でも、なぜでしょうか?


1950年代、アメリカの心臓外科医が、心臓疾患と診断された患者の中に怒りっぽい性格の人が多いことに気が付きました。

タイプA:怒りやすい人
タイプB:まり怒らない人



そして、タイプAの方が心筋梗塞などの心臓の病気にかかりやすいことがわかったのです。


怒りの感情には〝自律神経”が関係しています。
自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、怒ると交感神経が有利になります。そこで、「怒り」と「交感神経」の関係を細かく調査することに。

“怒り”が健康に与える悪影響とは?

調査の対象者の体に電極をつけて、心拍数から交感神経の活動を計測することにします(心拍変動モニター)。


交感神経の働きがグラフになって現れるので、グラフが上昇するほど怒っていることがリアルタイムで分かるのです。


この機械を体に付けた状態で、10円玉を10枚立てて1列に並べる作業をしてもらいます。でも、本人には実験とは知らせず、しかもモニターがイラっとするようなことをして怒りに火をつけたりします。


怒りで交感神経が活発になると、血圧を上げるように体に指令を出してしまいます。怒ってばかりいると血圧が高くなり、血管にもダメージがを与えることに。


すると、血液が十分に心臓や脳に運ばれなくなってしまいます。
怒りっぽい人の心筋梗塞の発症率は、そうでない人のおよそ5倍。脳梗塞も2倍ほど多いという結果が出ています。


では、もともと怒りっぽい人はどう気をつければいいのでしょうか?

“アンガーマネジメント”という自己コントロール法

“日本アンガーマネジメント協会”というところがあるのを知っていますか?


「アンガーマネジメント」とは、「怒りをマネジメントすること」
つまり、コントロールすることです。


代表の安藤俊介さんは「怒り」に関するたくさんの著書を出されています。
本だけではなく、有名企業や政府などで研修もされているとのこと。





安藤さんは、「怒りの感情というのは、アレルギーに似ている」と言います。


何か出来事があったとき、怒る人もいれば怒らない人もいる。
花粉症に例えると、花粉に敏感に反応する人と反応しない人がいるようなものです。


それは、私たちが怒る理由というのは、自分が信じている「コアビリーフ」というものが裏切られたとき、だというのです。


さて、「コアビリーフ」とはなんでしょうか?


「コアビリーフ」とは、自分の中で「こうあるべき」と信じているもののこと。


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中央の青い円は、自分のない考えや行動。
黄色い部分は、少し違うけれど許せる範囲。
それを超えて赤い部分の「許せない」部分に入ってしまうと「怒り」を引き起こしてしまうのです。


大事なのは、「コアビリーフ(べきの境界線)」は人それぞれ違う、ということ。


ここで、街頭の人に質問します。
仕事で、「早めにやっておいて」と言われたら、あなたにはどのくらいに時間ですか?


この質問に対して、

5分、10分
2.3時間
朝言われたら3時頃までにやる
その日の帰りまで



それぞれ、こんな答えが返ってきました。


もし、「早め」が5分10分の人が、「朝言われたら3時頃までにやる」というコアビリーフの人に仕事を頼むとしたら、どうなるでしょうか?


「少し違うが許せる」の黄色い部分の幅が狭いと、怒ることが多くなると思いませんか?


自分のコアビリーフの許せる部分の幅を意識的に広げていくと、怒らずに済むことが増えるのではないでしょうか。

怒ることは悪いことではない。「怒り方」が問題?

ここで冒頭のクイズの詳細を説明します。
「やけどが治りにくい」。覚えていますか?


傷が治るためには十分な血液が、栄養素や酸素を体に運ぶ必要があります。
交感神経が血管を収縮させてしまうと、栄養素や酸素が運ばれにくくなります。
結果、「やけどが治りにくい」ということも起こるのですね。


「怒り」は、心臓関係の病気だけではなく、ほかの病気も引き起こします。


例えば、頭痛、めまい、手足のしびれ、下痢、便秘、食欲不振


こういう体のことに加えて、よく眠れなくなってしまいます。怒って交感神経が高まると、寝不足になってしまうんですね。


寝不足になると、今度は昼間の生活が上手くいかなくなる。ストレスがたまる。


その結果、また交感神経が高まる、という負の連鎖に入ってしまいます。


体の変化はこのようにわかりやすい症状となって現れますが、その根底にあるのは「コアビリーフ」という信念。


人間は、この「信念」を揺るがされると「怒り」を引き出されるのです。しかも、激高するのがよくないのです。


感情をいきなり相手にぶつけるのではなく、諭すようにちゃんと言う、怒り方が望ましいのですね。少し難易度が高いと感じる方もいるかもしれませんが。


でも、そうすると、怒った人のコアビリーフを、怒られた人が理解できるのです。
これが、「アンガーマネジメント」の極みかもしれませんね。


つまり、怒り方が問題なわけです。
「怒るな」と言っているわけではありません。怒るべき時に起こらないのは、これもストレスの問題となるので、ストレスをためないようにすることも大切な自己コントロールです。上手に怒りを吐きだしていく。それが「マネジメント」ということなのです。

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“怒りを鎮める魔法の言葉”とは?

番組の前半で、心拍変動モニターをつけて10円玉を建てる作業をしてもらった何人かの方の中で、1つも成功することなく交感神経が高まった人がいました。


その人に、ある言葉を見せたら、そのあとからすぐ10円玉を4つも立てることができたのです!しかも、交感神経が一挙に下降。


そのとき見せた言葉が、
「6秒数えてください」というメモ書き。


その男性は、その通りに手を止めて6秒数え、そのあとまたカウントしながら10円玉を立て始めたら成功が続いたということでした。


これは、試してみる価値がありますね。


アンガーマネジメントでは、いきなり自分の感情を爆発させずに、上手にブレーキをかける、これが大事とのこと。


アクセルをいきなり踏むことじゃなくて、まずブレーキを踏んでから、そのあと自分の気持ちをゆっくり出していく。このコントロールが大事なんですね。

アンガーマネジメントの成功例

この“アンガーマネジメント”を取り入れて職場の環境を劇的に変えたところがあります。


1つは、医療法人社団プラタナス 女性のための統合ヘルスクリニック イーク丸の内


院長の野口さんのお話では、怒りの性質は伝染するとのこと。
ひとりでも機嫌が悪く働いている人がいると、周りが穏やかでも悪い雰囲気は伝わってしまう。スタッフがイライラしているち、ミスが続き、連絡漏れなどが生じたり、最悪、患者の命にも係わりかねない。感情のコントロールは医療安全的にも大事なこと、とのことでした。


もう1つは、山口県の介護施設、はぴね防府
この施設では、働き始めて1年以内に辞める人の多い職場だったとのこと。毎年10名以上の離職者を出していたところ、施設庁の河内さんがアンガーマネジメントをスタッフと一緒に試してみました。


その結果、驚くことに、昨年の離職者は「ゼロ」!
そのとき取り入れたことの1つが、「アンガーログ」。
イラっとしたときにその場で書きとめる「怒りの日記」です。


記録をしておくことで何がわかるかというと、自分が怒っているパターンや傾向が見えてくることなんですね。


自分はどういうときに怒りやすいのか。
どういう場面だと怒りやすいのか。
それを回避するためには、どうすればいいのか。
自分がどういう状態になると怒りやすいのか。


自分の反応や感情の推移を客観的に眺めることで、そういう状態にならない工夫ができるようになります。


その結果、腹が立って仕事が進まないことがなくなり、残業時間が50%も減りました。


施設利用者への対応がよくなり、夜間コール数も減ってきたのです。

まとめ

「怒り」というのは「負のエネルギー」です。
「負のエネルギー」は強烈です。


この「負のエネルギー」をアンガーマネジメントでコントロールすることで、「怒らない自分」になれるだけではなく、自分を客観的に見ることができるようになります。


自分の感情の変化を客観的に見ることができ、しかもコントロールできるようになると、自分に自信が持てるようになりますね!?



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