川崎駅のそばに川崎市立図書館ができるまでは、神奈川県立川崎図書館に通っていました。私たちはこの図書館のことを「県立図書館」と呼んでいました。
その頃は普通の図書館のように小説もたくさん置いてあった記憶があります。創立は1958年。神奈川県の2番目の図書館として富士見にオープンしました。
実はカウンターの奥の書庫にたくさんの本や雑誌の在庫を抱えているのですが、書庫の本棚の接しているその壁が隣の教育文化会館の外壁になっているのです!
かなり老朽化しているので教育文化会館の改築(まだハッキリとした時期はわかりませんが)と同じくらいに今の場所から移転することになるということです。哀しい(涙
地下1階から地上4階まで、エレベーターもエスカレーターもない古い建物ですが、今回裏側まで見せていただいて、なぜだかとても懐かしい思いにとらわれました。
そんな“神奈川県立川崎図書館”の探検ツアーの記録です。
目次
“神奈川県立川崎図書館”は特殊な図書館?
1995年に川崎市立図書館ができるまで、県立川崎図書館は地域の公共図書館として利用されていました。1998年にリニューアルされてから「科学と産業の情報ライブラリー」として当初の方針であった自然科学、工業、産業分野に重点を置いたサービス方針を前面に出すことになるわけです。
確かに、普通の図書館にあるような小説や軽い読み物、一般的な雑誌などはありませんが、その分野の方が見たら、どんな遠方からでも来館したいと思わせるような蔵書の数と内容なのです。
では、館内を簡単にご案内しますね。
4階:社史室
国内有数のコレクション約17500冊を所蔵。閲覧だけではなく貸し出しもできます。
3階:科学技術室
オンラインデータベースのCiNiiとJDream3で雑誌論文を検索できます。自然科学・工学・産業技術の分野の図書、専門誌・学会誌・講演論文集・会社技法を中心に所蔵。書庫にある図書や雑誌のバックナンバーは、頼めば職員が持ってきてくれます。なんと、一度にブックトラック1台分まで利用できるとのこと!
2階:企画・展示スペース
2階ホールで開催されるイベントもあります。ミニ展示もできます。
ほかに整理室(寄贈以来やデータの入力、こわれた本の修理など、図書や雑誌が書架に並ぶまでの作業をします)、協力室(資料の物流で作業を行う場所。本を移動させるための荷作りなどをします)があります。
1階:ビジネス支援室
ここはややフツーの図書館ぽいところですね。ビジネスに必要な図書や、実業家の伝記など読みやすい本が置いてあります。こちらのフロアーでビジネス相談(要予約)をすることもできます。
1階奥に「やさしい科学コーナー」があり、子どもだけではなく、科学が苦手なオトナにも親しみやすい入門書がたくさんありますよ。
B1階:化学文献室
日本化学界より寄贈された化学系外国語雑誌、約390誌を利用できます。
2階の展示コーナーがおもしろい!
図書館探検ツアーのときは、2階で、「産業の塩 生活を支える“ねじ”」が開催されていました。
“ねじ”ですよ!?
ものすごく地味じゃないですか?しかも、講演会もあったそうです!
それが、ビックリなのですが、予想外に多くの人が来てくれたようでスタッフの方の声が明るかったのが印象的でした。
確かに、普段“ねじ”についてあらためて考えることもないですが、ねじの種類や用途などを考えると、ここから新たな世界が広がりそうですね。ねじの講演会では、宮城大学の門田準教授を招いて講演を行ったとのこと。
この講演会のことを聞きつけて、かなり遠方から参加された方もいたようです。確かに珍しい内容の講演会ですものね。
神奈川県立川崎図書館で本や雑誌を借りるには
神奈川県立川崎図書館で本を借りる方法を紹介しておきます。
①登録
市立の川崎図書館で使っているカードは使えないので、あらたに登録をします。
県内在住や在勤、在学の方ならカードを作ることができます。現住所を確認できるものが必要です。
この図書館カードは県立図書館(横浜市西区)と共通です。
②貸出
1人10冊(付録CD-ROMなどを含む)3週間まで借りることができます。でも、中には貸出不可の本もあります。雑誌類は貸出できません。
送料は自己負担になりますが、郵送による登録もできます。また、自宅で図書を受け取ることもできるんですね。
県立図書館の本であっても、近くの図書館を通して借りることもできます。
③返却
図書はカウンターに返却。閉館時は玄関横のブックポストに返却できます。ただし、CD-ROMやDVD、ビデオなどの視聴覚資料、また社史は直接カウンターへ返却します。
郵送、または宅配での返却も可能です。
④予約
予約は、インターネット、電話でもできます。リクエストもOKです!
最後に
4階の社史室で面白い社史を見せていただきました。
それは、「日清チキンラーメン」の社史。分厚い本です。
本の表面がラーメンの麺のアップになっています。触ると麺の表面がデコボコの立体に。
しかも、その麺の表紙の本を入れる袋がチキンラーメンの袋(もちろん、サイズは大きい!)で、この袋に本をに入れると先ほどの表紙の麺が本物の麺に見えるようになっているわけです!
「社史」というと、ちょっと堅苦しくて読むものじゃないような気がしますが、こんな遊び心があると中身も読んでみたいような気がしてきませんか?
貸出は無理かもしれませんが、希望すれば見せてくれますよ。