日本語は奥が深い。
ユーモアもあり、直接的でない分含みがあり、妙に想像力を刺激して、客観的に見られるんですね。

そんなおとなの日本語を、今回は「人間関係」にしぼってまとめてみました。



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面映(おもは)ゆい

きまりが悪い、照れくさい、の意味。
「面」は顔。「映ゆい」は、明るい光に照らされること。
つまり、眩しく感じて、相手の顔をしっかり見ることができない状態のこと。
「照れくさい」と直接的にいうより、「面映ゆい」という言い方のほうが奥ゆかしさを感じます。


唐変木(とうへんぼく)

ドラマなどで、「この唐変木!」なんて捨て台詞のように言う場面がありますよね。

物分りの悪い人や気が利かない人をけなすときに使ったりしますけど、その語源は、「遣唐使が持ち帰った変な木」や「唐の変わった木彫人形」など諸説あります。

つまり、わけがわからないもの、理解できないもの、という解釈でしょうか。

でも、こう言われても、本気で怒る気にはなりませんよね?
さすがに最近は、日常会話では聞くことがなくなってきました。


鼻薬(はなぐすり)を嗅がせる

道で鼻を鳴らして泣いている子どもに母親がお菓子を与えたら、途端に泣き止んだ。

その効果が薬のようだったので、子どもをなだめるために与えるお菓子のことを「鼻薬」と言うようになったようです。

そこから、相手の気を引いたり、手なずけるための金銭の意味が生じ、賄賂を贈る、という意味になりました。ただ、もともとがお菓子から派生したので金銭の額は小さいです。

情景が浮かんできませんか?
日本人の想像力の豊かさを感じますね。


その節は



久しぶりにあった人に、「その節はありがとうございました」などと挨拶を交わすことがあります。

「その節は」という枕詞を置くだけで、それ以前の時間が「今」とつながっているという感じを受けます。
お互い、共有した時間がある、という前提ですね。

こういったさり気ない枕詞があるかどうかで、相手とどういう関係でいたいかということが伺い知れます。


十分いただきました

なんということもない言葉です。

訪問先でもてなしを受け、「おかわり」を尋ねられたとき、「もう結構です。ありがとうございます」と応えることもできますが、箸を置いて、「十分いただきました」とにっこり一言。

この方が相手の方にも満足感が伝わるのではないでしょうか。


私淑(ししゅく)する

直接教えを受けたわけではないけれど、著書などを通じて、間接的にその人から学ぶこと。
過去の人や、直接教えを受けていない人にのみ使う言葉。

孟子の「子は私(ひそ)かにこれを人より受けて淑(よし)とするなり」からの言葉です。

実際に教えを受けている場合には使いません。

美しい言葉ですね。尊敬する人に対する程よい距離感を感じます。
こんな言葉がもし、普通の会話に登場したら、その人物の奥行を感じます。


お眼鏡にかなう

目上の人に気に入られたり、実力を認められたりすること。
ただし、この場合の「眼鏡」とは、拡大鏡のこと。

美術品などは、拡大鏡で細部を鑑定し評価するところから、その品物が良品であれば「お眼鏡にかなう」わけですね。

まあ、査定しているのが「肉眼」ではなく、「眼鏡」という「もの」が間に入っているということで、直接的な評価を避けていますよね。うまい表現だと思います。
反対に、「眼鏡が狂う」という表現もあります。間違った判断のことです。


反故(ほご)にする

「反故」とは、書き損じて要らなくなった紙のこと。
それが、役に立たない物事を指すようになり、転じて、約束や決まり事を破ったり、契約を破棄したりするという意味になりました。

これも、間違えて、要らなくなった紙を丸めてくずかごにポン、と捨てる情景が浮かびます。


思案に暮れる

あれこれ迷ったり悩んだりして困っている状態のこと。
「まだ迷っています」と言うより、「思案に暮れています」という表現のほうが、もし本人が深刻であっても、柔らかく伝わりますよね。情景も浮かぶし、こちらの想像力も刺激されシンパシーを感じます。


ご笑納ください

この言葉通りだと、「笑って納めてください」ということになりますね。

贈り物をするときに、相手の気持の負担にならないように、という思いを込め、気軽に受け取って貰いたいときに使います。

一見、使うのに難易度が高そうな気がしますが、贈り物に添えるメッセージの“決め”で使うと、強い印象を残すかも。。


お相伴(しょうばん)

目上の人から食事などに誘われた時の決まり文句。
「ご一緒させていただきます」より、「お相伴させていただきます」のほうが、情景が浮かんできますね。

「お相伴」とは、主となる人物に従って、同じ行動をすること。

食事やお酒を勧められたとき、「お相伴に預かります」と一言。
「ごちそうになります」より、雰囲気に溶けこむような気がしませんか。


最後に

言葉の背景にストーリーを感じます。
だから、深みがあるのでしょうね。

日本人でよかった。。



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